| 以前は兄の部屋だったその部屋は、兄が家を出てからは納戸になっていた。 タンスやカラーボックスなどの家具はすべて片側の壁に寄せられて、代わりにダンボールや衣装ケースが床に積まれている。 母がたまに換気をしているが、主のいなくなった部屋は埃臭くて、兄がいた頃の面影はもうどこにも無い。 「・・・・・・兄貴」 僕は部屋の隅の床にぺたりと座った。 そこには昔、兄のベッドがあった。 「・・・は・・・ぁ・・・・」 立てた膝を開き、ジーンズの上から股間を撫でる。 半勃ちになってデニムを内側から押し上げている部分が熱く昂ぶり、手のひらに陰部の湿気が伝わる。 ファスナーに沿って中指で強めに下から上へ、それからまた指を下ろして会陰を何度か押す。 「あぁ・・・んっ・・・・兄貴っ」 ジーンズの上から亀頭の辺りを爪の先でカリカリと掻いて刺激すると、ぞくぞくっと甘い衝動が腰骨から背筋に沿って走った。 「ダメだよ・・・ダメ・・・・・・」 僕は一人呟きながらジーンズのボタンを外し、ファスナーを下ろす。 『なんだ、もうパンツに染みが出来てるじゃないか』 「だって・・・僕・・・・あっ・・・ぅんっ」 ここにはもういない兄の声を聞きながら、ぼくはトランクスに染み出た先走りをまぁるくそっと撫でた。 「ひっ・・・・!兄貴、そんなの、汚いよ・・・・っ」 『しょっぱくて、お前の味がする』 トランクスを脱ぎ、濡れた部分の布を吸うと、塩気のあるあの味が口の中に広がる。 兄は「僕の味」と言ったけど、兄の筒先から零れた汁も同じ味がした。 シャツの前を開いて胸をはだけ、既に固くしこった乳首を摘まむ。 兄がそうしてくれたように、痛いくらいに挟んでは、豆のように膨らんだそこを唾で濡らした指の腹で転がす。 同時に右手は完全に勃起した肉棒を握り、いつもは少し被っている皮を引き降ろす。 「兄貴、それ・・・くすぐったいよ・・・ぁ!痛いっ!」 乳首をつねりながら、激し過ぎるくらいに肉をしごく。 痛みも悦びも一緒に来て、目の前が一瞬ぼやけた。 「あぁ・・・僕、もぉ、ダメだよぅ・・・・出ちゃうよぉ・・・・!」 『我慢して。もっとヨくしてやるから』 「だって、あ!僕、その辺、ダメだよ・・・・っ」 くちゅくちゅと卑らしい音を立てて皮をずり動かしながら、乳首を弄っていた手を首筋から後頭部へと這わせた。 耳の後ろからもう少し後頭部へ行った辺りをそうっと撫でると、まるで自分で触れているのでは無いようなむず痒さがある。 『裕喜、ここも性感帯なんだ?』 それはベッドの中で赤ん坊を抱きかかえるように頭を支えてくれた兄の大きな手の感触に似ていて、僕は滲んだ涙で歪んだ視界を天井に向ける。 当たり前だけど、天井の模様だけはあの時と変わらない。 汗臭いベッドも日に褪せたポスターも無くなってしまったけど、天井の模様はあの日と全く同じ幾何学模様で、僕は兄の荒い息遣いを思い出す。 「痛いよ・・・っ・・・・兄貴、怖い!やめて!」 唾で濡れた中指は、ほんの爪ほどだけ僕の蕾をくじり、すぐに諦めて離れる。 『裕喜は痛がりだな。仕方ないか』 指は会陰を小刻みに押しながら袋の付け根に到達し、袋の中のモノをこりこりと弄ぶ。 「ぁあ!あぁあぁああっ!」 下半身が痺れるような衝撃と、切ない疼き。 兄は僕の陰嚢を口に含んで、音を立てて吸い上げてくれた。 「あぁあああ!もうイっちゃう!僕、イっちゃう!」 兄の唇が茎を這い登り、紅く充血した亀頭を呑み込む。 ねっとりと暖かく包み込まれ、少しざらつく舌先で鈴口と裏筋をいっぺんに愛撫される。 「ダメ!出ちゃう!口、放して!」 兄は僕の制止も聞かずに、喉の奥まで咥えて軽く歯を立てながら吸い上げる。 「やぁああんっ! あ・・ぁ・ぁ・・・ああぁあっ!」 その瞬間、恥骨の内側から熱いモノがどっと溢れて筒先から飛び出した。 一回、二回、腰を突き出しながら、止まらぬ律動に身を任せる。 『美味しいよ、裕喜』 「あ・・・にき・・・・っ」 僕は何時の間にか泣いていた。 『泣かなくていい。俺が悪いんだから、お前は泣かなくていい』 「そうじゃないんだ、僕・・・」 首の後ろをさする、優しい指。 泣いている僕の頬に唇が触れる。 涙が吸い取られ、暖かな唇の感触だけが残る。 「・・・兄貴と、離れたくない・・・ずっと一緒にいてよ・・・・」 兄は躊躇無く微笑み、僕を抱きしめる。 『なんだ、そんなこと、もちろんだ。俺達は兄弟なんだから、ずっと一緒だよ』 「・・・・・・・うそつき」 僕は床に寝そべり、自分の腕を抱きしめる。 「だったら、なんで・・・・・死んじゃうんだよ」 あのころと全く変わらない天井は、ベッドの高さの分だけ遠くなってしまった。 もう、兄の声は聞こえない。 僕は目を閉じた。 きつく目をつぶって、もう一度開けば、あの頃に戻れるだろうか。 |
(絵師コメント) 気分を変えて、ちょっぴり切ない系。(^-^) ごく普通にオナニーしてる絵って、 このサイトでは珍しいッスよね。(笑) 濃い目のザーメンのとろとろ感、 うまく出てるといいなぁ。(#^-^#) |




