所変わって上海。「社長」は「秘書」と共に、空港でズラリと並んだ出国手続き待ちの列の最後尾に居た。
「しかし秘書君、こいつだけは毎回厄介だよなあ。入国手続きは社会主義一色の時代に比べて随分簡単になったけど、出国はなかなかそうもいかん」
「…社長は裏の顔使いませんもんね。本当なら顔パスでしょうに」
「まあな。それにしてもそろそろ、例の高校生が壊されてるころじゃないか?」
「そうですね。予定では今日あたり、『処刑』の責めをされているはずです」
「うむ、人間の慣れというのは恐ろしいものでな。人質だってだんだん犯人と仲良くなっちまうもんだ。砂漠だって、一年中氷の世界だって人間は住んでる。地球の王者を恐竜に取って代われたのは、人間が変化に柔軟な動物だからだよ。だから肉奴隷作るなんて簡単なもんだわな。みんな快楽責めにはすぐに適応しちまうもんだ」
「…ですね。それを壊すとなると、やはり相当強烈でないとダメってことになりますね」
「だからオレはああいう仕掛けを地下室に作ったんだよ。ちょっと金はかかったけど」
「…かかりすぎましたがね」
秘書は相変わらず、無表情で答える。
「まあそう苛めるなよ!ていうかたまには笑えよ!俺の前だけでいいからさあ!」
「…社長、お言葉ですが、周りに日本人も大勢居ますので自重してください」
「あ!珍しく照れてるな!可愛い可愛い!」
「社長」の身体が数センチ浮いたように見えたが、並んでいた人々は気付かなかったようだ。
「ゴフっ…お前さあ、普通の人間なら内臓破裂だよ、わかってる?」
寸頸を食らった「社長」が、冷や汗をハンカチで拭き拭き、ぶつぶつ呟いた。
その頃地下室では、三角木馬責めで気絶した孝志の傍らで、栄治と子分が最後の責めについて打ち合わせをしていた。
「じゃあ壊すぞ」栄治は満面の笑みである。
「ちょっと勿体無い様な気もしますが…あっちちち!!!!!」
タバコを無造作に押し付けられた部下が悲鳴を上げる。
「るっせえなあ、あのクソッタレ誠一に絶望を味わわすにはそれが一番だろうが!とっとと準備しろ!」
「は、はい、すいません栄治さん…」
涙目で部下は「処刑器具」の準備にかかる。
孝志が何十度目かの気絶から目を覚ますと、どうやら一晩眠っていたらしかった。「らしかった」というのは、当然ここは地下室なので朝も晩もわからないのである。
「よお孝志!少しは回復したか?今日は最終日だから、頑張れよ!」
「はい、栄治様…」
孝志は四日間の調教ですっかり半色情狂と化してるので、虚ろな目で栄治を見上げるばかりである。壮絶な責めで疲れきっている筈なのだが、逆に若くて引き締まった身体にどこか艶が出てきたように見える。すっかり身も心も淫乱と化してしまったようだ。
「よし!じゃあとりあえず今から最後のご奉仕をしてもらうぜ」
「最後」の意味がよくわからなかったが、「ご奉仕」という単語を聞いただけで孝志の美しい性器は屹立していた。ソレを見逃さず、栄治の部下がガッチリと性器をコックベルトで戒め、さらにケツ割れサポーターを履かせた。
「とりあえずお前は今から数時間、オンナになってもらうからな」
そう言うと栄治は、もはや拘束の必要も無くなった無抵抗の孝志を引っ立てていく。
輪姦用の大部屋に行くと、強烈な光景が待っていた。
「…すごい」
以前の孝志なら震えあがっていただろうが、今の孝志は頬を染めるばかりであった。
部屋には栄治の部下の不良高校生が全員裸で並んでいた。総勢三十名。いずれも十代の若き男根を高々と勃起させ、舌なめずりをして孝志を見る。
部下にはノンケも混じっているのだろうが、もともと美形の孝志である。口奉仕なら全く抵抗は無いだろう。
「全員バイアグラ飲ませてオナ禁命じてたからな。お前ら、せいぜい楽しみな」
栄治の合図で、餓えた野獣が一斉に孝志に襲い掛かった。
「…終わったか」
五時間経過して、全員がすっきりした表情で輪姦部屋から出てくると、栄治が悪魔的な笑みを浮かべて部屋に入る。白濁の海で、孝志が溺死体のように倒れていた。肛門は閉じられずにだらしなく精液を垂れ流し、一方サポーターは射精できなかった性器の膨らみではちきれんばかりに膨れ上がっている。
「えい…じ…しゃん…イカせて…くだしゃい…」
孝志は息も絶え絶えだが、度重なる調教と、もともと鍛えていたための体力でどうにか耐えられたようである。それよりも、津波のような射精感が孝志には辛かった。なんせ五時間の間、ただの輪姦ではなく延々と二本刺し輪姦をされた上、最後は全員の腕でフィスト輪姦をされたのである。前立腺を刺激され続け、サポーターの上から撫で回された男根は、もはやコックベルトを引きちぎりそうなくらい膨張して悲鳴を上げていた。
「よしよし、イカせてやるよ。そしてイカせ終わったら、おまえを処刑する」
肉欲地獄で朦朧としていた孝志の意識が、少し戻ったようだ。殺される?まさか?
「肉奴隷にしてやろうと思ってたんだが、事情が変わってな。お前の処刑ビデオを世界中の変態どもに売ることにしたんだ。さっき『社長』からメールが来た」
たちまち頬を染めて上気していた孝志の顔が真っ青になる。死ぬなんて嫌だ!
這いずって逃げようとするが、輪姦地獄の後ではろくに身体も動かない。たちまち後ろ手で縛り上げられて、地下室に再び引きずられていった。
「ほら、あれがお前の処刑場だ」
栄治が指差すと、拷問部屋の真ん中に一本の木の棒が立てられている。先は丸くなっており、てらてらと光っているところを見ると油が塗りつけられているようだ。
「ん~と、なんか『社長』が言ったんだけどなんだっけか?ドラキュラのあの、モデルとかなんとか、ヴラド・ツェペシュだっけ?まあとにかく、串刺しってやつよ」
孝志の顔が引きつる。串刺しとは最も残酷な処刑方法の一つで、内臓を損傷するものの完全に死ぬまで数日間地獄の苦しみを味わう最悪なものである。ブラム・ストーカーの有名な小説「吸血鬼ドラキュラ」のモデルとなったルーマニアの名君「ヴラド公」が好んだ。
「た・・・たすけて!誠二、助けてくれ!」
親友の名をか弱く叫ぶ孝志の口に、固く猿轡がされた。舌を噛まれては困るからである。
「この世の名残に、一滴残らず搾り取ってやるぜ。起たなくなったら処刑開始だ」
孝志の下半身の拘束器具が外され、指一本で触れただけで射精しそうなくらい敏感になった性器が跳ねる。イッたら死に近づく。でも射精したくてしょうがない!孝志は人の字に緊縛された。
撮影が始まったが、残酷にも栄治はこんな状態の孝志にすら、寸止めを敢行したのである。少しでもしごいたら即射精するので、美形肉奴隷の部下に舌でチロチロと刺激させておいて、少ししごいては金玉を握り締めた。孝志の全身が涙と涎でびしょびしょになったところで、ようやく口内射精させたのである。何時間も止められていた大量の精液は、美形肉奴隷の口から溢れかえって床に水溜りを作った。
当然のごとく直後責めで亀頭を散々いたぶって孝志を泣き喚かせた後、連続強制射精が始まった。孝志は死への恐怖から懸命に耐えるが、美形肉奴隷数名の全身愛撫に我慢できず、涙ながらに吐精してしまう。最後は広がりきった肛門に再び手を突っ込まれて前立腺をぐいぐい押され、一滴残らず精液をぶちまけた。
恐怖に震える孝志を、両脇から栄治の部下が抱きかかえる。身をよじって逃れようとするが、遂に串刺し棒に乗せられてしまった。
「むぐうううううう!」閉じられない肛門にあっさりと棒が刺さり、じわじわと食い込んでいく。孝志の全身は冷や汗と脂汗で塗れていく。
あまりの恐怖に孝志はまた気を失いそうになるが、栄治がそれを許さなかった。金玉に重石をつけられたのである。鈍痛が孝志を襲う。
「色っぽいぜ孝志」
棒の上で艶かしく悶える孝志。整った顔は苦痛と恐怖に歪み、ほどよくついた美しい筋肉が震えている。しかしゆっくりとではあるが、刻一刻と死は近づいている。棒が内臓を突き破ったら、助かる術は無い。この状況下でも、性器は根元を縛られて強制的に勃起させられている。正に地獄絵図であった。
内臓の痛みが限界に達し、死を直感したときに孝志の意識は吹き飛んだ。
…どれほどの時間がたったろうか、孝志は栄治の腕の中に居た。すでに思考能力は失われていた。孝志は「生」を実感する間もなく、栄治の巨根にむしゃぶりついていた。すでに彼は壊れていたのだ。
飛行機の中。
「CTスキャンって、なんか改造手術でショッカーの怪人にされるんじゃないかって感じだよな。あんな狭いところに押し込められてなあ」社長が秘書に話しかける。
「…それを、身体の内側からのスキャンを可能にした。さらに処刑棒の内部に搭載した、と」相変わらず秘書は無表情だ。
「まあ、技術者が美少年好きのサディストだから俺のわけわからん頼みを聞いてくれたわけだが。類は友を呼ぶねえ、つくづく」
「…串刺しの限界を透視して、本当に致命傷を負う寸前で助ける。いやはやひどい話です」
「ひどいよなあ。でも俺はそんなひどい俺が好きだ。そしてお前もそんな俺が好きなんだろ?」
「…否定はしませんが、ここは飛行機の中です」
「わかったわかった!頼むから寸頸はもう勘弁してくれ!」
こうして孝志は完全な色情狂になってしまった。誠一は彼を救えるのか…

