河童(読み切り)

五星洞官能小説

「おいおい、風も強いしそろそろ波が出てきたよ!お子さんもいるなら、海遊びは止めといた方がいいよ!」

「うるせえよジジイ、俺は何十年もサーフィンやってんだから海には慣れてんだよ。これくらいどうってことねえよ」

心配そうに声をかける地元の老人に対し、刺青の入った、年甲斐もなく髪を染めた強面の男がタバコの吸い殻をポイ捨てしながら悪態をつく。彼は小さな産廃処理会社の社長で、自分の家族と社員やその家族、総勢二十名を連れてこの海岸に旅行に来たのである。忠告にも全く声を貸そうとしない。この日は台風が接近しつつあり、海は荒れ模様の気配であった。

遠浅の海を、社長の息子とその友達二人が泳いで行った。元々急に深くなるので危険な場所であった。青くなった地元の老人が叫ぶが、親たちも子供たちも全く耳を貸そうとはしない。息子は大手芸能事務所にスカウトされたことが何度もある、人並外れた美形であった。

「きゃああああああ!」

母親の悲鳴が海岸に響き渡った。急に掻き曇った天は大波を呼び、一瞬で三人を飲み込んだのである。両親は慌てて救助隊を呼び、泣いたり救助隊を怒鳴りつけたりしながら必死に探し回ったが、後の祭りであった。数日後、息子の友人二名の遺体が発見された。息子の遺体は見つからなかった。

「・・・ここはどこ?」

話は高波の直後に戻る。天然の洞窟のような場所で少年は目を覚ました。薄明かりの中をよく見ると、上半身裸の屈強な男が机でパソコンに向かい、何やら仕事をしているようだ。波に飲まれたときはてっきり死んだと思ったが、どうやら助かったらしい。ただ、両手両足が動かなかった。どうやら、縛られているようだ。水着が脱げていて全裸なのに気づき、赤面して少年は男に声をかけた。

「ねえ!おじさんが僕を助けてくれたの?お父さんお母さんは?友達は助かったの?なぜ僕は縛られてるの?」

「お、兄ちゃん気が付いたかね」

男はゆっくりと少年の方を向いた。笑顔は無く、無表情だった。全身は鋼のように鍛え上げられていた。

「友達は助けなかった。いくら俺でも、同時に三人を担いで泳いだりはできんからな」

少年はぐっと涙をこらえながらも、ありがとうと言おうとした。

「おっと礼は要らんぞ。君が助かって良かったのかどうかは、非常に微妙だからな」

「どうして僕だけを助けてくれたの?あと、できれば縄を解いてくれませんか」

「それは、君が一番商品価値があったからだ。縄を解くことはできん。もうすぐ俺の仲間が君を回収に来るから、暇つぶしに君の置かれた状況を話してやろう」

男は相変わらず無表情だ。頑固職人と言った風情である。

「俺は元々、海上保安庁のOBだ。偉い人にスカウトされて、転職したんだ。この仕事はいい金になるからな。家族や友人知人を全部捨て、整形して名前を変えても十分お釣りになるくらいの金が貰えるってわけだ」

少年はちんぷんかんぷんだ。そもそも、その話と自分を助けて縛ってることの関連がいまいちわからない。

「いいかね、日本人の少年は俺のクライアントにとっては物凄く価値があるんだよ。とにかく日本人は見た目が美しい。だが、法治国家だから他国のように簡単に誘拐はできない。だからより一層高価になるってわけだ」

少年のパニックになった頭の中でも、男が淡々と話すことによってようやく事の深刻さが理解でき始めていた。助かった興奮で上昇していた体温が冷めていくのを感じた。

「世の中には、命を懸けて一年中天候の悪い日と水辺の近くで遊んでいるバカを探して、事件ではなく事故に見せかけて人を攫うのを仕事にする奴と、そいつから莫大な金で人を買う金持ちがいるってことさ。そんなことは凡人には思いもつかないから、警察も動かない。少しお利口になったな」

少年は自分の運命を理解しつつあった。ここまで内情を話すということは、裏を返せば二度と今までの日常には戻してくれないということだ。

「俺の潜水技術は世界一とは言わなくとも、世界で五本の指には入るだろうな。俺は仲間内では『河童』と呼ばれている。山の遭難専門の奴もいるぞ。あと一時間くらいで迎えが来るから、お前は予習をしておくといい。絶望で舌を噛み切らないように、猿轡をしておくけどな」

少年の口に布が詰め込まれ、椅子に座らされた。男は机に置かれたパソコンの画面に映像を流して、どこかへ行ってしまった。映像では同い年くらいの、両乳首と性器にピアスをされ、首輪をつけた少年奴隷が性奴隷としての心構えやフェラチオの仕方を語り始めた。少年は絶望で気が狂いそうだった。30分ほど経つと、「性奴隷として不適格だと、こんな目に遭いますよ」と少年奴隷が乾いた顔で呟いて映像が切り替わった。肘までのフィスト輪姦で尻が閉じなくなった者、肘と膝の先を切断されて人犬にされた者、脂を塗った丸太で緩慢に串刺しにされる者、睾丸をゆっくりと潰される者、わざと刃を潰して鈍くした剃刀で去勢される者、四肢を切られて壁に埋め込まれ、精液を搾り取られるだけの存在にされた者が次々と映し出された。最後まで観た少年は恐怖で気絶し、同時に部屋に河童の仲間である奴隷商人が入ってきた。彼は無表情だった男とは違い、少年の整った顔を見て満面の笑みを浮かべた。彼は気絶していた少年の睾丸を握って目覚めさせ、透き通るような桃尻を撫でまわしながら哀れな少年を洞窟の奥に引っ立てていった。その後少年がどうなったかは、誰も知らない。

コメント

  1. ntk より:

    この少年がどう調教されるのかみたいです!

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