彼の身体には、少年から青年へと変る時期だけが持つ、特有の美しさがある。
白くきめ細やかな肌にはビロードの光沢があり、ほの暗い照明の下でも輝くようだ。
その少年は一糸纏わぬ姿で、桃色のファーを敷いたベッドの上に横たわっている。
ただ、右足首には革の枷がはめられ、それが天井から下がる太い鎖に繋がれていた。
「上げるよ」
彼の側に立っているのは、こちらも見目麗しい若い男だ。
端正な顔に優しい笑みを浮かべ、小さく震える肩を抱いてからスイッチを押す。
意外に大きなモーター音が鳴り、キリキリと金属音を立てながら巻き上げられる鎖が、少
年の右足を浮き上がらせる。
足首が上がるに連れ、引き締まった形の良い臀部が男の眼前に現れる。
片足だけを上げる卑猥なポーズを嫌い、少年は左足を右足に絡めて股間を守っている。
とうとう両足が垂直に天井を向いた。
だが、男は巻上げを止めない。
やがて尻が浮き、背中がベッドから離れる。
枷の内側には毛足の長い柔らかな毛皮が内張りされているとは言え、片足に体重がかかる
この姿勢では、全身が軋むような痛みがある。
「・・・イテっ」
彼は眉間に皺を寄せてそう呟くと、ぽってりと柔らかな唇を固く結んで再び黙する。
やがて肩で倒立するような格好になって、やっと巻上げが終わった。
「苦しいかい?でも元ボクサーならこのくらいは平気だよね」
足への負担を少しでも減らそうと腹筋に力を入れた身体には、まるでオブジェのような美
がある。
きっちりと閉じられた両足の間で、萎えた肉棒が重力に従ってぶらりと下がっていた。
それは少し皮余りらしく、カリ首を襟に埋めている。
「綺麗だ・・・」
男はうっとりと呟き、なめらかな肌に指を這わせた。
無駄な肉の無い脇腹、淡い色の乳首の乗った胸。へそから上へ昇り、体毛の薄い恥骨付近
へ。
「先セ・・・っ」
柔らかいタッチが股間に到達し、少年はぶるりと腰を震わせて男を呼んだ。
「も、焦らさないでくれよっ」
「駄目だ」
見る者を惹きつけてやまない、魔性の瞳が少年を射る。
「ボクが知ってるコト全部を、キミに教えてあげると言ったよね」
男は少年の唇に優しく口付けし、ベッドの横に椅子を引いて座った。
触れるでもなく、ただ視姦し続ける。
照明の下、必死に耐える均整の取れた白い裸体。
ほどなく、男の目論見どおりに少年の膝頭が震え始める。
無理な姿勢のまま両足を閉じるのも、もう限界だった。
「・・・・ぁ・・・・っ」
少年が苦しさに顔を歪めた次の瞬間、縒り合わせていた左足が解け、落下した。
白い尻たぶの中央の、いつもは隠されて見ることの出来ない部分があらわになる。
「神田君、ここ、使ったことはある?」
「オレ、そんなことしな・・・っ!」
排泄以外を知らない肛門を指先でなぞられ、少年は息を詰まらせる。
「大丈夫。ゆっくり広げてあげるよ」
男の微笑みは水蜜桃のようだ。
少年は男に逆らうことが出来ず、黙って目を瞑った。
男の指は、細くて長い。
その指が少年を押し広げ、奥深くの未だ感じたことの無い性感帯を嬲る。
職業柄、きれいに短く切りそろえられた爪は、指にふりかけられた蜂蜜のぬめりもあって
さして苦も無く飲み込まれている。
最初は一本だった指はいつの間にか三本にまで増やされ、それが第二関節まで押し込まれ
るたびに、深い部分から脳天まで痺れるような喜びが湧き上がってくる。
「ああーっセンセ!そっちじゃなくてっ・・・チンポ、しごいてっ」
「今日はこっちでイくことを覚えなさい」
下半身を捩って身悶えする少年をなだめ諭し、男はいつもなら執拗に弄ってあげる肉棒を
無視して、肛門への愛撫を続ける。
融けかかったバターの壷をかき混ぜるように。
触れてもらえないじれったさに、肉棒全体がぴくぴくと脈打つ。
「あぁ、はぁ・・・んっ、あうっ・・・う・・・」
尻から零れた液体が会陰を伝うが、今や勃起して完全に露出したピンクの亀頭の先端から
も蜜が溢れ出している。
透明な汁がどぷりと尿道口から吐き出され、少年自身の胸や顔に滴る。
「だいぶ感じるようになったね」
課題を終えた子供を誉める調子で、男が呟く。
「これなら、入るね」
「あぅっ!んっ・・・っ」
ぶちゅっと指が引き抜かれた。
間髪を入れず、シリコンに覆われた長くしなやかなバイブが挿入される。
「!?・・・なんだよそれっ・・・あぁぅっ」
緩んだ括約筋を容易く突破し、指で散々弄ばれた性感帯目指して押し込まれる塊。
「んぅうぅ・・・ぅ」
ずぶずぶと埋没する異物に腸壁をこすられ、少年の尻に新たな悦びが弾けた。
それは前立腺で発生してすぐさま肉棒を伝い、先走りとなって水玉を作る。
こんな快感は初めてだった。
指で広げられたそこは女性器のようにくつろいで、無機物を飲み込む行為さえ快楽に変換
するのだ。
「ぁあーーーっ」
掠れた喘ぎが喉から搾り出されたのと、バイブが最奥に到達したのは同時だった。
「いい声だね。・・・動かすよ」
「あ、ま、待って!」
「ああぁあああーーっ!!」
少年はあられもない声で叫んでいた。
ぷっくりと膨らんだ会陰がだくだくと波打ち、固く張り詰めた肉棒がひくんひくんと下腹
を打つ。
アナル用に作られたバイブは、緩やかなくねり運動で少年の新たな性感帯を責め立ててい
る。
尻いっぱいに詰まったシリコンに思うさま蹂躙され、少年はそこから生まれた熱で全身が
熔けるのではないかとさえ思った。
「センセ!!出るよ!ぁあっ!出ちゃうよっ!」
「いいんだよ。イきなさい」
男は、最後まで少年の肉棒をしごいてやらなかった。
それなのにエラを広げた亀頭が膨れ上がり、鈴口が開いたかと思うと、大量のザーメンが
勢い良く迸ったのだ。
「・・・あっ・・ぃいあ・・・っ」
コンデンスミルクのようなそれらが、少年の胸や顔を汚してゆく。
「神田君・・・」
水から揚げられた魚のように撥ねながらザーメンを飛ばす少年の名を呼び、男はこれ以上
無い暖かい眼差しで見つめる。
やがて少年の痙攣が止まる頃、バイブのスイッチを切った男は内壁と同じ桃色に上気した
柔らかな唇に唇を重ねる。
二人の唾液と白濁液が交じり合う淫靡な音。
長いキスに感じたのか、また少年の下半身に血が集まり始めた。




