| 都内。高級ホテルの一室。今日は興行の最終日だ。選手達はゆっくりと休み、疲れ、傷ついた身体を癒している。 何人かは街に飲みに繰り出していることだろう。しかし、この部屋の中だけ、そんな弛緩 した空気とは違った緊迫感に満ちている。 「おい・・・」スイートルームの、いかにも高級そうな椅子に座った大男がぼそりと呟いた。 話し掛けられたのは、椅子の前に直立不動の姿勢で立っている選手の一人である。 端整な顔立ちは、私服姿だとまったくプロレスラーであるようには見えない。 この団体は小柄な選手も多く、華麗な空中技を中心としたファイトスタイルが売りであった。 いわゆるビジュアル系の選手も何人かいて、この西森選手もその一人だ。美しさと野性味がミックスされた顔立ちに、脂肪が殺ぎ落とされた無駄の無い滑らかな肉体。リングで華麗に舞う彼に、女性ファンは多い。 リング上とはまた違った、真剣な表情であった。 「なんだい、今日の試合は・・・」椅子に座った男、この団体の社長が不機嫌そうにじろりと選手を一瞥する。 すでに現役から引退したものの、長年の激戦で造りあげられた巨躯の持つ迫力は今だ健在だ。 「真剣試合(シュート)でもやりてえってのか?」社長は本当に不機嫌そうだ。 「ええ・・・」西森が頷く。 「今日の試合」とは、彼が出場したセミファイナルの試合だ。 それは異様な試合であった。観客を楽しませるはずのプロレスの試合が、わずか30秒で終わってしまったのだ。 西森は、相手の外人選手に試合開始直前に耳元でなにか囁いた。外人の形相が変わった。 プロレスラーになる前は酒場の用心棒でならしていた男である。リング上の空気が変わったことに、初心者の女性ファンですら気づいていた。 ゴングと同時に、外人選手が突進した。普通のプロレス的タックルとは違う、超高速のタックルである。 しかし、外人選手の両腕は空を切った。若い肉体が宙に舞い、まるで闘牛のようにひらりと身をかわしたのである。 申し合わせの無い状況でこのような動きをできるのは、相当なバネであろう。バランスを崩して倒れた外人選手のバックを取り、西森は渾身のチョーク・スリーパーを極めた。 ロープ・ブレイクする暇も無く、外人選手は白目を剥いて失神した。 それが業界用語で「セメント」「ガチンコ」「シュート」と呼ばれる、真剣試合であることは誰の目にも明らかであった。 西森は小さいころからプロレスが好きで、聞いたことも無いような小さな団体で十代のうちから経験を重ねていた。 そしてようやくメキシコの「ルチャ・リブレ」に可能性を見出せた。体格にそこまで恵まれない彼のような人間でも、飛び技を中心としたヘビー級にできない動きで観客を魅了できるのである。彼はメキシコで飛び技を習得し、日本でプロデビューした。 そんな西森が悩んでいるような表情を見せ出したのは、彼が二度目にメキシコに渡った後である。 彼は飛び技以外に、「ルチャリブレ・クラシカ」と言われるジャベ(関節技)を中心とした技術を体得してきた。 複雑な関節技を練習するうちに、その技を真剣勝負で使ってみたくなったのである。 闘いへの渇望が、彼のプロレス愛を上回りつつあった。習い覚えた技術を、極限の状況で使ってみたい… そんな彼の熱い思いが、今日の試合に現れたのである。 「確かにあいつぁ、言うこときかねえから手を焼いていたんだが…」社長がまたじろりと西森を睨む。 「ガチンコは俺たちのプロレスじゃ特にタブーだってことは、知ってるよなあ」「ええ」 ルチャ・リブレは、強さ以上に華麗さや派手さを大切にしている。真剣試合が、観客のニーズに合わないことは明白であった。 西森は、首にされることすら覚悟してセメントマッチを仕掛けたのである。そして、勝った。 「まあ、お前が強いってことはよくわかった…奴さん、アメリカの用心棒時代には負け無しって話だ」 社長が椅子から立ちあがり、西森の両肩をがしっと掴んだ。西森に緊張が走る。 「やってみるかい、ガチンコで」意外な答えであった。 「ラスベガスへ行け。そこで思う存分やってくるといいさ。堪能したら、帰ってくるといい」 アメリカで?西森は首をひねった。アメリカン・プロレスはエンターテイメントだと公言している明るく楽しいプロレスで、真剣勝負をするなら総合格闘技の大会があちこちで開かれている。社長は総合格闘家に転向しろというのだろうか。 無論西森も「プロレスラー」という肩書きで総合格闘技に望むはずだったが、それなら日本でもいいのではないだろうか。 「行ってみればわかるさ」社長は、無言で西森に背を向けた。 ラスベガスに向かう機上で、西森は胸を躍らせていた。握りこぶしに力が込められる。 渡されたチケットは、片道だけだ。自分の技術と肉体だけを手荷物に、いざ、アメリカへ・・・ あらゆる人間の欲望のすべてが集中していると言われるラスベガス。 トータル何十億ドルの設備投資がかかったかわからない壮大なホテルやカジノに圧倒されながら、西森はあるホテルの地下へ向かう。 とてつもなく高級な家具や調度品に飾られた一室に、西森は案内された。事務机に、満面の笑みを浮かべた中年男が座っていた。 ものすごい傷だらけの顔は、とても真っ当な生活をしている人間とは思えない。左目は潰れ、髑髏をかたどった眼帯をしている。 ごつい身体に、葉巻がよく似合っている。 「ミスター・ニシモリ、ウェルカム。ミーは・・・ユーたちの国では、ボーリョクダンって言うのかな、それのボスだよ」 中年男は、滑らかな調子でとんでもない自己紹介を言ってのけた。西森に緊張が走る。 男はマフィアのボスの一人であった。 日本語を操るところを見ると、日本人との接触も多いのだろう。 「まあ安心したまえ。ユーの安全は保証する。試合までは、ね」そういうとボスは再び笑みを浮かべた。 「ついて来なさい。明日ユーが戦う場所だ」西森は、「ボス」の後をついていった。 いつの間に現れたのか、機関銃を持った黒服の男二人が「ボス」の左右に付き従ってる。 暗くて長い廊下の先の扉を開くと、ものすごい大歓声が西森の耳に飛び込んできた。 ホテルの地下カジノのさらに地下に、こんなものが・・・西森は目と耳を疑った。 そこに現れたのは、なんとリングだった。周りは、タキシードとドレス、ブランド製品と大きすぎるダイヤで着飾った明らかに上流階級とわかる観客で埋め尽くされている。たか だか数百人の観客だというのに、その熱気は数万人規模のドーム大会以上である。 リング上では、壮絶な死闘が展開されていた。柔術家であろうか、道衣を着たブラジル人が、黒人ボクサーに馬乗りになって滅多打ちにしている。その黒人の顔を、吉森は見たことがあった。世界ランクのヘビー級ボクサーである。 柔術家もよく見れば、何度かテレビで見た顔だ。日本の大きな総合格闘技大会で、何度も日本人を血の海に沈めている。 なぜ、こんな面々がこんな少ない観衆の前で・・・呆然とする吉森に、「ボス」が話し掛けた。 「ここでのギャラは、あいつらが表で貰ってるのとはケタが違うぜ。それに、ここでの試合は禁じ手無しだ。日本からは、殺人術を極めた武道家や、軍隊格闘術の猛者もよく来る」 場の雰囲気に飲まれていた西森に、再び熱い何かがたぎり始めた。 「目突き、金的、何でもアリ。プロレスじゃ五秒まで反則OKだが、ここじゃ無制限だぜ。 まあ、頑張りな」 西森は再び拳を握り締めた。 その地下リングで、西森は連戦連勝だった。観客が驚愕したのは、西森がルチャ・リブレの技を多用したことである。 総合格闘技ではまず見られない攻防であった。地味なタックルや腕ひしぎ、ローキックに変わり、派手なドロップキックや場外ダイブ、複雑な関節技がリング上で炸裂した。観客は西森の強さと美しさに熱狂し、その魅力の虜になった。 唯一西森が気になったのは、コスチューム。日本でも露出度の高いパンツをはいていたが、ここではどういうわけかほとんど尻が丸出しのTバックである。金的アリでファール・カップをつけないからいいのだろうが、持ち前の大きな一物がくっきりと見えて恥ずかしい。 「ボス」に言わせると、観客へのサービスだそうだ。 確かにセクシーで強い西森の所には、毎日金持ち婦人から大量のプレゼントが届いていた。 しかし殺伐とした試合が、西森への重圧となってきた。関節を砕かれ、血の海にのたうつ敗者の幻影が西森を責め苛んだ。 そして西森は無敗のまま、「ボス」へ帰国を申し出たのである。 「オーノー!困るねミスター・ニシモリ。契約はあと二試合って話だぜ」「いえ、もう駄目なんです…」 「ボス」は困った顔をして国際電話をかけ始めた。西森の団体の社長と連絡を取っているのだろう。 「よし、ニシモリ。いい話だ。タッグマッチをやればいい。それで二試合分だ。お前が相手を壊すのが嫌だっていうのなら、パートナーにやらせりゃいいさ」西森は、その提案を呑んだ。 昔はタッグマッチでの真剣試合は考えられなかったが、最近では日本の総合格闘技興行でも採用されている。 スリリングな攻防が期待できるのだ。この日の西森の相手は、プロレスラー二人だった。 いずれも暴力ざたを起こして表のプロレス界を追放された札付きの二人である。確かにここは良いバイトだろう。西森のパートナーは例の柔術家だ。 西森は、今日の会場の雰囲気がいつもとまったく違うことに一抹の不安を感じていた。 今までは熱狂と殺伐とした空気に包まれていたのが、今日は何かしら淫靡な雰囲気を感じる。 そしてその艶かしさは、どうやら自分に向けられているらしい。それまで自分に向けられてた強さを称える視線ではなく、今日は舐めるような、ねっとりとした視線が男からも女からも絡みついてくる。特に頼りないTバックに覆われた股間と尻に集中しているようだ。 セクシーな胸の筋肉に映える乳首や、引き締まった太股にも視線が刺さる。思わず勃起しそうになるのを堪えるのに必死な西森であった。一体何が起こるというのか。そして、試合が始まった。 「ぐがああああっ!」絶叫を上げ、西森は床をのた打ち回る。これで今日は三回目の金的蹴りだ。ジャベを極める度に、相手のパートナーが無防備の西森の股間にえげつない攻撃を仕掛ける。薄いTバックにしか守られてない西森の急所は、たとえプロレスラーであっても鍛えようが無い。ほぼ剥き出しに近い陰嚢に重い打撃を受け、目がくらみ、脂汗が吹き出し、下半身を鈍痛が駆け巡る。 本当なら秒殺しているはずなのに・・・焦る西森。相手の乱入を止めるはずの柔術家は、そっぽを向いたままだ。そう言えば、入場のときにもいつものような殺気が無かった。 ひょっとして、全員グルなのか。このままでは危ない。なぶり殺しにされる。 確かにのたうつ西森に、相手はそれ以上の攻撃はしてきていないのである。くそ、負けるもんか! なんとか回復した西森は、飛び技にこだわらず、一気に勝負をかけるために基本どおりのタックルに行った。相手が倒れまいと踏ん張る。 「うぎゃあ!」西森の美しい顔がまたも歪む。相手のパートナーが乱入して西森に行ったのはなんといわゆる「カンチョー」であった。 滑稽に見えるが、肛門に指を入れられると脱力するのは有名な話である。レスリングでも裏技として実在する。 女にすら触れさせた事の無い秘所に乱暴に指を突きこまれ、西森の怒りが頂点に達した。 自分がもっとも得意としていた技で、一気に仕留めようとしたのだ。 飛び技からの固め技で、一気にタップを奪いたい。躍動する美しい肉体が、蜘蛛のように相手に絡みついた。ルチャ技のコルバタから、飛びつき卍固めに移行するパターンだ。 立ち関節なら、グラウンドより股間を蹴られにくい。しかし、ここに西森の誤算があった。 なんと相手レスラーは、高等技「ユダ」でコルバタを返したのだ! ユダとは相手の右足を自分の左足で挟みながら片膝をついて、相手の左足を担ぐ様に絞り上げる変形のマフラーホールド。 さらにものすごい握力で手首を掴まれ、西森は股間を開かされて固められたまま動けなくなってしまった。 完全に極められた。しかし、身体の柔らかい西森からギブアップを奪える技ではない。 ここで西森はおかしな事に気づいた。 「・・・追撃が無い!」股間を開かされた姿勢のまま、相手レスラーが動かないのだ。 Tバックに観客の視線が一斉に集中する。試合中、そして関節技を極められているというとんでもない状況にもかかわらず、西森の股間が少しづつ持ちあがっていく。 あまりの恥ずかしさに、西森は逃れようと渾身の力を込める。 しかし、その力がふっと抜ける。 「ああう!」なんと相手のパートナーが出てきて、動けない西森の肛門に指を差し入れたのだ。 たちまち西森は脱力し、ますます脱出不能だ。相手の興奮した息が、Tバックをかすめる。 どうやら指には、試合中の出血を止めるために用意されているワセリンが塗られているらしい。たちまち指は第二関節まで侵入した。あまりの事態に、西森は言葉も無くただ悲鳴を上げるのみだ。そうか。団体はどうやら、「ボス」に俺を売ってしまったらしい。それも戦士で無く、慰み物として。ひょっとして、連勝記録も最初から仕組まれていたのでは ないか。西森が絶望感に浸る中、レスラーのごつい指が西森の秘穴をまさぐる。汗ばんだ肌がますます汗ばみ、強烈なライトに光って西森を彩る。陵辱を受ける尻は、「ユダ」で全開にされたままだ。Tバックの隙間から体内に侵入した指が動きを早めると、西森の巨根に変化が現れてきた。ついにそれはTバックのなかで鎌首をもたげた。相手レスラーは嬉しそうにてらてらと光る亀頭を引っ張り出し、観衆の元にさらす。 顔や肉体だけでなく、亀頭の形も美しかった。日頃は仮性のそれはピンク色で、練習一筋で女をあまり知らないがための初々しさがあった。そんな剥き出しの亀頭にワセリンが塗られる。西森の悲鳴が、だんだん切ない喘ぎに変わってきた。 観客は息を飲んで、美青年レスラーの痴態を見つめている。肛門が弛緩してくると、二本目の指が侵入してきた。 西森は女のように悲鳴を上げ、しごかれて完全に勃起した陰茎の先からは透明なしずくが滲み出してきた。まさに公開調教である。 肛門どころか前立腺まで初めて責められ、西森はもはや恥も外聞もかなぐりすてて、喘ぎ、泣き叫ぶ。レスラーは技巧を駆使して性器も責め立てる。特にワセリンで亀頭責めされると、あまりの刺激に肉体が二度三度と大きく痙攣する。 「ううううっ・・・」ついに三本目の指が入ると、西森は今度は呻き声を上げる。 少年のように真っ赤に頬を染め、苦痛と快楽に責め抜かれる西森の目に映ったのは、ロープを越えて自分に迫ってくる柔術家とレフェリーだった。 二人の手が、西森の乳首と陰嚢に伸びてきた。汗と先走り液と腸液でぐっしょりと濡れたTバックが、ライトの下で眩しく輝いていた。 |
(絵師コメント) 下描きの絵を五星洞様にお見せしたら、 なんと小説を書いてもらえました。ラッキー! 五星洞様、エロ文章をありがとうございます。(#^-^#) ところで○龍門は、イケメンの食い込みパンツや 組み敷かれ開脚され息あがる痴態を拝みまくりで、 わたくし試合中継をオカヅにヌきました。(笑) |




