| 広い玄関ホールは、その男のステータスを現すように豪奢だった。 これ見よがしに壁に張られた大理石の一枚板、落ち着いて嫌味の無い、しかし一見して高価と分かる調度品、吹き抜けの天井から柔らかな灯りを投げかけるシャンデリア。 だが、それらがまったく目に入らないほど、私の視線は一点に集中していた。 それはホールの片隅、壁際に置かれた美しい象嵌の施された丸テーブルの上に載っていた。 いや、載せられていた。 「あの・・・あれは・・・?」 言いよどむ私に、男は事も無げに答える。 「あれですか?見てのとおり、単なる『置物』ですよ」 「いや、しかし・・・」 「興味がおありでしたら、お手にとってもらって結構ですよ」 男の言葉に、『置物』と呼ばれた青年が不自由な首を僅かにひねる。 そうなのだ。 男の言う『置物』とは、二十歳代の青年なのだ。 それも、全裸で仰向けに寝せられ、まんぐり返しよろしく尻だけ高く上げた格好で拘束された。 私は恐る恐る近づき、その『置物』をまじまじと見た。 青年の首、両手首、両足の太腿には皮製の枷が絞められており、さらにそれらは全て紐で一個のリングに繋がれている。 紐が短いため両手両足は首の方向に引っ張られ、仰向けに寝かされた彼は、尻穴を天井に向けて広げるような恥ずかしい姿勢でいるしかない。 また、両足の枷の間には金属製の棒が渡されていて、足を閉じることさえ出来ないようになっている。股の中央にはこれもまた小さな枷に締め付けられた陰茎と陰嚢が覗き見える。 二つの睾丸をくびり分けるようなその枷にも紐が渡されていて、両方の乳首に穿たれたピアスに繋がれていた。 これでは体を動かすと乳首が引き攣れ、くびられた陰嚢がじくじくと疼くに違いない。 だが私は、それよりも何よりも、彼の尻穴に埋められたグロテスクな玩具に釘付けにされてしまった。 女性の腕ほどもあろうかと思うような巨大な張り型が、若く引き締まった尻に深々と刺さっていたのだ。 しかも張り型には茎の全面に小指の先ほどもある疣がびっしりと付けられていて、大きく傘を広げた亀頭にはイソギンチャクの触手のような突起が生えている! いくらシリコン製でも、こんなもので尻を犯されたら・・・! 「この張り型は双頭になっていて、反対側も同じ形状ですよ」 男がにやにや笑いながら言う。 張り型にも他の部分と同じように細紐がかけられていて、その両端が両足の親指に結ばれているのだが、男はそのピンと張った紐に人差し指をかけて弾いた。 「んぅふっ!」 棒状の口枷を噛まされた口が苦しそうに結ばれ、涙を滲ませた目元の周囲に紅が差す。 同時に張り型を飲み込んでいる尻肉がブルッと震え、灯りを反射しててらてらと光る緑色のシリコンの塊が小刻みに上下した。 尻がわなないている。 私はごくりと生唾を飲み込み、異形の男根で貫かれて引き伸ばされた肛門を注視する。 「先端の繊毛がね、柔らかくてしかもコシがあってね、イイんですよ」 男は説明を続けながら、再び紐を弾いた。 「んんっ!」 先ほどより幾分強い刺激に、青年の尻までが上下する。 「ギリギリまで拡張された腸壁のすぐ裏側にある前立腺をね、この繊毛が押し上げるんですよ。想像してくださいよ。Gスポットを小さな無数の突起でヤワヤワとくすぐられる感覚をね・・・」 曲げられても元の形状に戻ろうとする、小さな突起群に前立腺をこねられたら。 それが僅かな足の揺らぎで絶え間なくうねり、長時間、休むことなく性感帯をこすり、突付かれたら。 「・・・・くふぅ・・・」 青年の潤んだ瞳、勃起した陰茎を見れば、それがどれほどの責めか窺い知れる。 快感の泉を悪魔の指先のような道具で弄られる快感を想像し、私の股間にも熱い淫靡な悦びが湧き上がってくるようだ。 「ほら、こうして弾くだけで、奥の奥まで犯すことが出来るんです。それに、触れられていない時でも、疲れて両足が揺れると紐に引っ張られて張り型が首を振りますからね。すごい刺激ですよ。こんな特大のすりこ木みたいなモノで尻の中を掻き回されるんですから」 そう言いながら、男は青年の足首を小突いた。 元々不安定な姿勢が崩れ、両足が大きく揺れる。 「んむぅぅううううっ!!」 くぐもった悲鳴を上げた青年の陰茎がより一層張り詰め、ビクビクッと腹を叩いた。 甘い甘い快感に、白いものの混じった我慢汁が小便のように飛び散る。 張り型を腸の蠕動運動で必死に押し出そうとしているようだが、太すぎるそれは抜けるはずもなく、かえって前立腺を揉みくちゃに突付かれただけだろう。 「むぅっ・・・ふうぅ・・ぅ・・・ん・・・っ」 鼻にかかった甘えるようなうめき声。 整った顔立ちに熟した果実のような恍惚の表情を浮かべる青年の肌から、生温かい発情した雄の臭いが空気に乗って伝わってくる。 男根と同じようにガチガチに硬くなっている会陰が、時折ひくんと痙攣する。 「ドライオーガズムってご存知ですか?」 いいえ、と私は答えた。 「前立腺刺激だと、射精無しでオーガズムに達するんです。しかも、射精してないので連続して何度でも達することが出来るんですよ」 男の指先が、張り型を固定する紐を弾き続ける。 「んぅふっ!」 「イってもイっても、終わりが無いんです。彼はこうして紐を引っ張られるたびに、絶頂を迎えているのですよ」 「んうーーーーっ!!んぐーーーーっ!!」 開閉する尻肉が汗で艶やかに輝く。 間欠泉のように何度も吐き出される我慢汁が、彼が味わっている地獄の快感を雄弁に物語っている。 何一つ隠すことが出来ない無様な格好で玄関先に晒され、指先一つでイかされる屈辱的な快感に、青年は完全に飲み込まれてしまっている。 数え切れない絶頂に、桃色に色づいた尻穴。 「終わりの無い絶頂なんて、想像したことがありますか?」 「んっうっ!む゛ーーーーーーっ!!」 弾かれた紐がビーンと音を立て、青年の身体が起き上がりこぼしのようにゆらりと揺れる。 一瞬失いかけた意識は、ギチギチに引き伸ばされた乳首の痛みによって現実に引き戻される。 「さあ、貴方もどうぞ」 にこやかな男に勧めに導かれ、私は細紐に手をかけた。 |
(絵師コメント) こーゆー張り型があったら欲しいです。(^-^) ちん先だけに被せるシリコン製のサックで 同じような繊毛の付いたのはあるんですが、 萎えると中で外れちゃって、取り出すのが大変でした。(^-^; 以上、ちょっとした体験談でした。(笑) |






