| 暗い水の底で、生暖かい海生生物が股間に纏わりついてくる。 それは半勃ちになった男根にぬとぬとと触手を絡め、汁の一滴までも吸い取ろうとしつこ いくらいに尿道をくじる。 ひんやり冷えた全身の中で、性器だけが熱を持ち始める。 <・・・あ・・・っ・・・・そこ、気持ちイイ・・・> 村田智は股間を中心に生まれる淫靡な疼きに身を任せ、より貪欲にそれを求めようと腰を 浮かせた。 すると触手は智の腰の動きに応えるかのように、根元から先端まで裏筋側を舐め上げる動 きで摩擦してくる。 <ふぅあ・・・ぁ・・・出・・・そぅ・・・っ> 智の小鼻がひくひくと震え、同時に甘い声が漏れ出る。 「・・・ぁあ・・・っ」 鼻にかかったねっとりと湿った声は智自身が思っていたよりずっと大きくて、それは夢の 中にいた彼を目覚めさせるに充分な威力があった。 「・・・・・・」 まだぼんやりとする視界に、見慣れない天井が映る。 夢から覚めてなお聞こえる水音と、男性器から発生するむず痒いような快感。 「・・・あれ?」 智の声に、ぴちゃぴちゃという音と下半身への刺激が止む。 首を傾けて自分の足元方向を見た智は、信じられない光景を目にした。 「玲・・・くん・・・?」 ベッドに大の字に横たわる智の股の間ににうずくまっていたのは、彼が家庭教師で教えて いる高校生の玲だった。 しかも玲は一糸纏わぬ姿でそこにいる。 きめ細やかで張りのあるなめらかな肌に桜の花びらのような乳首。 色の薄い、血管もほとんど目立たない愛らしい男性器と、その先端の皮から少し頭を出し たピンクの亀頭。 智の男根がそうであるように、玲のそれもピンと直立して、柔らかな陰毛に覆われた引き 締まった下腹を叩いている。 「・・・村田先生」 唾液で光る顎を手で拭い、困ったような、しかし欲情に潤んだ目が智を見た。 「これ・・・一体・・・なんでこんな・・・」 智にはそう言うのが精一杯だった。 なぜなら智もまた全裸であり、その四肢はベッドの木枠に縛られてすっかり自由を奪われ ていたからだ。 玲はそれには応えず、再び背を丸めて智の男根に唇をよせる。 乳首と同じ桜色の唇から桃色の舌が覗き、それが尿道にねじ込まれて粘膜質の皮膚をくす ぐる。 「やめなさ・・・っ」 陰部から背筋を伝って脳天までゾクゾクとする甘い疼きが通り抜け、制止の言葉が喉に詰 まる。 それとほぼ同時に、尿道の喘ぎを舌先で感じ取った玲が唇を大きく開け、舌を差し込んだ まま亀頭全体をすっぽりと咥え込んで吸い付く。 そして、ちろちろと舌でくすぐりながら、緩急をつけた吸引。 「はぁあっ・・・!」 智の腰が跳ね上がり、尿道を熱く湿らせる先走りが染み出す。 玲の舌がそれを愛おしそうに舐め取り、一滴も漏らすまいと啜り上げる。 「玲く・・・っ!」 痺れるような悦楽が陰茎を覆い、そこだけ別の生き物のように脈打つ。 玲の右手が茎の根元を上下にしごき、じわりと湧き上がる先走りを鈴口へと導く。 「あ・・・ぁあっ・・・やめっ・・・!」 ジュルジュルと啜る、淫靡な水音。 尿道を抉る、巧みな舌先。 硬くしこった智の会陰がだくだくと波打ち、絶頂寸前の痙攣を起こす。 <ダメだ・・・このままイって・・・っ> いよいよ激しくなった右手の動きに、甘痒い喜びがぎゅうんとせり上がる。 「いい加減にしろ!」 自らの昂ぶった性感を散らそうと、智は大声で怒鳴った。 玲の動きがぴたりと止まり、やや間を置いてからのろのろと口を離す。 全裸で縛られたこと、男に性器を舐められたこと、それと恐らく出された紅茶に睡眠薬が 入っていたであろうこと全てが、普段は柔和な智の形相を険しく変えていた。 「馬鹿な真似、するな!」 怒声は智の怒りをさらに増幅させる。 玲は大人しくて勉強にも熱心な、いい生徒だった。 私語はまったくと言っていいほどしないし、出された課題は必ずやる。 そんな玲が、これほど馬鹿げた行為をするとは。 当の玲はといえば、悲しげな目を智と合わせようともせず、ただ黙って座り込むのみだ。 玲の耳が赤い。 いまにも泣き出しそうな顔を見ているうちに、智の怒りは早くも萎え始める。 「手足縛ってるやつ、外してくれ」 玲がゆっくりと顔を上げ、智を見た。 少女のような可憐な面に、悲しそうな、しかし強い意思を秘めて。 「イヤだ」 「・・・・!」 「今日は父さんも母さんも夜まで帰ってこない。こんなチャンス、もう二度と無いもの」 玲の言葉は智に聞かせると言うより、むしろ自分自身に言い聞かせるかのようだった。 「それに、先生は絶対にぼくを好きになってくれない。だから・・・」 玲の声はいよいよ泣き出しそうなほど、震えている。 「・・・体だけでも、欲しいんだ」 「冗談じゃない」 智には困惑と嫌悪しか感じられなかった。 玲のそれが本当に恋愛感情だったにせよ、全てのステップを飛び越えて犯罪まがいの行為 に及んだ玲に対し、それ以外の感情は抱けなかったのだ。 「こんなことされて、喜ぶ奴なんかいるもんか」 明らかな侮蔑の視線に、玲の眉根がぐっと持ち上がって泣き顔を作る。 「だって・・・ぼくが好きだって告ったら、先生はぼくを嫌って辞めちゃうでしょ!」 智は反論できず、黙るしかなかった。 確かに、もし玲が智に告白していたら、男に興味の無い智は、玲が問題行動を起こす前に 彼の家庭教師を辞めていただろう。 重苦しい沈黙に答えを悟った玲が、泣き笑いの顔をする。 「やっぱ、そうだよね。良かった、告らなくて」 そして今度は自分の指を三本ほど口に運び、さきほど陰茎にしたのと同じように唾液たっ ぷりに舌を絡ませる。 啜り上げずにぬめぬめと這い回る舌に、零れた唾液が手の甲まで濡らす。 「ぼくは、先生が好き」 唇を離れた指が細身で形の良い玲の陰茎をつるりと撫で、さらにそこを通過して後ろへと 伸びる。 薄絹を引き絞ったように綺麗な肛門を指先がまさぐり、やがて人差し指が中へと押し込ま れる。 「あぁ・・・・ん」 悩ましく切ないため息と一緒に、直腸を掻き混ぜるぐちゅぐちゅという音が聞こえる。 指はすでに三本すべてが奥まで納まり、玲の一番感じる部分をこすり、突付く。 「村田先生・・・」 泣き笑いの顔が快感に紅潮し、指の刺激だけでは物足りないといった風に腰をくねらせて 玲が悶える。 ますます激しくなる、指の動き。 <玲くん・・・尻だけで感じてるのか・・・?> さきほどからずっと、玲は自分の陰茎に触れていない。 それなのに彼のモノはぴんと直立し、手首の圧迫で少し開いた鈴口から悦びの透明な蜜を 吐き出していた。 「好きなんだ、ぼく・・・先生が・・・ぁっ・・・好・・・ぁあっ」 腕に押されて刻々と形を変える陰嚢。 下半身をとろけさせる、前立腺への激しい愛撫。 同じく触れていない乳首までが、つんと勃起して快感を主張する。 指が性感帯を素早いピストンで叩き、押し出された先走りが飛び散って亀頭を濡らす。 「あぁっ!ぁはっ!あ!」 <もう、イく寸前じゃないか・・・!> 淫靡なダンスを踊り狂う玲の身体から生々しくも甘い体臭が漂い、智の鼻腔をくすぐる。 意図せず、ごくりと智の喉が鳴った。 <ヤバい・・・勃ってきた> いくら先刻までフェラチオを受けていたとは言え、しばらく放置されていたはずの智の男 根が硬度を取り戻しつつあった。 <なんで俺、男を見て興奮してるんだ・・・!?> 「・・・・先生・・・っ」 切羽詰った声に呼ばれ、智と玲の視線がぶつかる。 玲は肛門から指を引き抜くと、智の腰の上に跨った。 「ぼくのこと、嫌いでもいいから・・・一度だけ、お願い」 「んんっ・・・!」 「ぁああぁああああっ!!」 押し殺した智の声と、甲高い玲の悲鳴が交錯する。 智はきつく締まる湿った穴に飲み込まれる感覚を、玲は熱く太い肉に閉じた部分をこじ開 けられる息苦しさを味わっていた。 「あぐうぅぅ・・・・っ」 ズズズ、と音がするほどの摩擦で、男根が直腸に埋まってゆく。 痛みと共に総毛立つほどの快感が玲を貫き、股間に揺れる自らの昂ぶりがひくひくと喘ぐ。 智もまた、勃起を無理に垂直に倒される軽い痛みと、包皮が全部性器の根元に寄せられる のではないかと思えるほどの締まりによる快感に、内腿の筋を引き攣らせている。 <女のとは全然違うけど・・・キツくてすごい!> 襞を持つ膣とは違ってなめらかな直腸の表面は、それ自体の摩擦はたいしたことはない。 けれど締まりの良さは処女のそれそのものであり、腰を落とした姿勢によりちょっとした 腰の動きにも反応して複雑な蠕動運動をする尻には、膣以上の刺激があった。 「うふうぅぅ・・・」 すすり泣くような声と共に、玲がさらに腰を落とす。 エラを張った智の亀頭が玲の前立腺まで達し、雷に撃たれたように細い身体がしなる。 「ぁあーーーっ!!」 びくん!と全身が震え、絶頂とは無関係に白い粘液が少量、玲の先端から迸った。 射精は精液が前立腺の上を通過するため、射精自体が絶頂の快感をもたらす。 性器を焦がす精液の奔流に玲の目の前が激しくフラッシュし、思わず力の抜けた太腿が、 体重を支えきれずに崩れ落ちる。 その瞬間の悲鳴は、まるで獣の咆哮だった。 「んぁああああああああああああ!!」 一気に全てを飲み込んだ直腸が軋み、貫かれた尻から激痛と快感が嵐のように吹き上げる。 「玲くん!しっかりしろ!玲くん!」 白目を剥いたまま硬直する玲に、智が必死で呼びかける。 しかし、智の声もまた震えていた。 玲の直腸が達する悦びに痙攣し、智の全てを搾り取るほどに揉み込み、締め上げていたか らだ。 「せ・・んせ・・・」 ゆっくりと呼吸を整え、玲がわななく唇で呼ぶ。 「・・・好・・・き・・・」 それからまた、あの泣き笑いの顔で智に微笑み、自ら腰を振ってピストンを始めた。 ゆるい動きだが、亀頭が何度も前立腺を抉り、玲の下半身で痺れるほどの快感がそこかし こで弾ける。 「あぁ・・・すごぃ・・・はぁあっ・・ぁあああっ!」 打ち寄せる波のように繰り返し訪れる絶頂感に酔い、玲の細い腰が揺れる。 「ぁ・・・あっ・・・あ!」 <奥の方、締まってるのにスゴく動く・・・!> 智の筒先から溢れ出す汁が新たな潤滑剤となり、スムーズに出し入れされる男根。 繋がっている部分と、僅かに触れる股ぐら同士の体温が熱い。 「・・・玲っ・・・!」 その熱に浮かされたように、智が不自由な腰を突き上げた。 「せんせ・・・っ・・・ぁあーーっ!」 智の動きを尻いっぱいに感じ、玲は何度も智を呼びながら激しく腰をくねらせる。 二人の動きは勢いを増し、やがてほぼ同時に本当のオーガズムが二人の中で弾けた。 |
(絵師コメント) 漫画っぽい表現の研究。(^-^) 色調だけでなく、塗り方にも一工夫してみました。 記号化された肉体の表現を突き詰めるのも、 わりと楽しい作業かも知れません。(#^-^#) しかしながら乙女チックな展開に、ちょっと照れたり。(笑) |




